TOP
第2回定例会 臨時道議会
真下紀子の質問内容 2011.5.19

 本道水産業の被災支援を 

初めに、水産業被害などへの対応についてです。

 私は、さきの第1回臨時会で、漁船の更新や補修、養殖施設の再建、そして、何より地域の再生のために、激甚災害を超えた対策の必要性について質問いたしました。

u       本道関係では、道内の港、東北の港で、789隻が被害を受けています。このたびの補正予算案では、共同利用漁船の建造費等への支援として、計27隻分の計上ですが、被害を受けた残りの漁船は、漁業再生に向けて支障なく対応できるのか、まず伺います。

u        被災後、早急に市場を再開するため、既に、はかりやフォークリフトの修理、機器購入などを行った漁協もあると聞いておりますが、国からは、予算内示前の事前着工は補助対象として認められないとの見解が示されています。 被災後、できるだけ早期の再開に向けた取り組みには、災害発生時に遡及して補助対象とすべきです。国に対し、強力に働きかけるよう求めますが、知事の見解を伺います。

u        壊滅的な被害を受けたカキの稚貝については、満度とは言えませんが、一定程度、確保のめどが立ったと承知をしております。 一方、国の第1次補正予算による漁場復旧対策支援事業では、厚岸町の天然アサリ漁場の再生は対象外です。 私は、これまで、地元・厚岸町からの悲痛な訴えとともに、早急な対策の必要性を指摘してまいりました。知事はどのように対応されるお考えか、伺います。

u       海洋汚染と魚・食の安全

 さきの臨時会で、海水の放射能汚染の調査と公表を求めましたが、道が、海水とともに、サケ・マス、コウナゴの放射能汚染モニタリング調査を行い、結果を公表したことは、消費者の安全、安心を求める声にこたえたものです。

 しかしながら、放射能汚染への国民の不安は高まるばかりです。

 道は、今後も、調査、公表の継続はもとより、サンマやイカを初めとする回遊魚等の調査も行い、その結果をもとに安全表示を行うなど、食の安全、安心を求める声にこたえるべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 

 東北の被災者支援の積極策を

 次に、被災者支援対策についてです。

 知事は、北海道東北地方知事会の会長として、また、福島県知事との会談においても、引き続き、被害者の受け入れなどに協力していくお考えを示されています。

 しかしながら、このたびの補正予算案では、追加的な施策は盛り込まれていません。

 根室市では、被災地支援条例を制定し、船主に対する見舞金や、生活資金の支給、公営住宅の無償提供のほか、被災企業が根室市で再建する場合、固定資産税や法人市民税を最大5年間減免する措置などを盛り込み、具体的な支援を行うこととしています。

u       道内への被災避難者の受け入れは1200人以上に上っておりますが、こうした方々の生活状況や困り事の把握はもとより、今後、道としても、就学援助や保育料、医療費の減免なども含め、被災者を支援する具体的、かつ、きめ細かな対策を展開していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

u        また、私は、今こそ、北海道の農業などの場で受け入れを行うときだと指摘しましたが、その後、具体的にどのような支援を講じているのか、あわせて伺います。

 原発の安全確保策の担保、自然エネルギーの拡充を

 最後に、原子力発電などについてです。

 道は、北海道電力泊原子力発電所に対して、12日に実施した立入調査の結果について、緊急安全対策の実施を確認したとのお墨つきを与えました。

 しかし、福島第一原発における事故発生から2カ月余りが経過した今になって、1号機におけるメルトダウンが確認され、2号機、3号機でも、同様の危険が指摘されるに至っています。

 外部電源、非常用電源の強化についても、瓦れきによって機能しない実態が明らかになっており、本道における冬の対応についても、安全が確認されたとは言いがたいと考えます。

 このたびの緊急安全対策では、現実に起こったメルトダウンによる、崩壊熱、放射能汚染、水素爆発に対し、全く対応できないことは明白です。そこで伺います。

u       福井や青森県では県として検証委員会設置

 福井県の西川知事は、独自の検証委員会を設置し、厳しい安全基準11項目を示し、それをクリアするまで、定期点検後の運転再開は認めない方針であると承知しております。

 また、青森県でも、独自の検証委員会設置のための補正予算を480万円計上しています。

u       1号機の再開を認めないように

 17日の原子力安全・保安院の説明でも、地震が起こる確率と安全性、浜岡原発の停止について、道は、説明が不十分だという認識ではありませんか。私は、泊原発1号機の運転再開を認めないよう申し入れましたが、知事においても、原子力発電推進ではなく、規制の立場から、みずから検証を行い、定期点検後の運転再開は認めないと明言すべきではないでしょうか、見解を伺います。

u       立地自治体として基本スタンスの変更こそ

 また、東大の金井利之教授は、原発核害だと明言し、責任ある安全対策を担保するためには、原発立地自治体が原発推進を放棄することを提案しています。 3月11日を想定外と言わずに、現実を直視して、中立の立場に立ち、安全向上を求めるべきです。立地自治体の知事としての基本的スタンスを改めて伺います。

u       自然エネルギーへの抜本的転換を

 北電の近藤会長は、3号機以後の原発増設は行わないと述べています。

 また、ISEPの飯田哲也氏は、政策的な支援により、原子力発電から、再生可能な自然エネルギーへの戦略的シフトは可能であると述べています。 既に、世界はその方向で動き、投資の呼び込みも進んでおり、北海道が手をこまねいているときではありません。

 自然エネルギーへのシフトを、計画的に、かつ、意欲を持って進めるべきと考えますが、知事の見解を伺い、私の質問を終わります。

 

〔知事答弁〕

     知事高橋はるみ君(登壇)

真下議員の御質問にお答えをいたします。

u       被害27隻は復旧予算活用で

 最初に、水産被害などへの対応に関し、まず、漁船被害への対応についてでありますが、このたびの国の補正予算に対応し、道としては、新たな制度の内容を、各振興局を通じて地元漁協などへ周知し、事業の活用について働きかけてきたところであり、その結果、沈没するなど壊滅的な被害を受けた27隻については、この事業を活用して、早期の復旧を図ることとしたところであります。

 これ以外の被災漁船の多くは、修理が可能な状況にあったこと、また、大半がいそ舟であったことから、漁船保険や漁業近代化資金等の融資制度を活用し、復旧が進められているところであります。

u       水産利用施設の復旧事業を国へ要望する

 次に、共同利用施設における機器の復旧についてでありますが、このたびの国の補正予算では、水産物の安定供給を早期に実現するため、荷さばき所で効率的な運搬や計量を行う上で必要不可欠なフォークリフトや計量器など、共同利用施設の機器への支援事業が創設されたところであります。

 しかしながら、予算の内示前の着手が認められておらず、既に整備したものは対象外とされているところであり、道といたしましては、この支援事業につきましても、他の災害復旧事業と同様に遡及措置が認められるよう、これまでも国に働きかけてきたところであり、引き続き、漁業団体と連携をして、強く働きかけてまいります。

u       天然アサリ漁業の再生へ協議

 次に、天然のアサリ漁場の再生についてでありますが、厚岸湖のアサリ漁場は、全体の3分の2が深刻な被害を受け、早急な復旧が望まれているところでありますが、アサリ漁場の再生のための砂の投入、いわゆる覆砂事業については、国の制度がないことから、道としては、覆砂による漁場の復旧が事業の対象となるよう、町や漁協と連携をし、国に強く働きかけてきたところであり、国とともに現地調査を行い、現在、復旧に向けた協議を進めているところであります。

u       水産物のモニタリング調査と情報

 次に、道産水産物の安全、安心の確保についてでありますが、道においては、福島第一原発の事故による放射性物質の影響を確認するため、これまで、海水や水産物のモニタリング調査を実施しているところであり、本道沿岸域への影響がないことや、水産物の安全性が確認されているところであります。

 道といたしましては、今後とも、海水のモニタリング調査を初め、太平洋沖合を漁場とするサンマ漁やイカ漁が始まることから、国や関係団体と連携して水産物のモニタリング調査を実施し、調査結果を速やかにホームページで公表するとともに、北海道産であることの産地表示を徹底するなど、消費者へのわかりやすい情報の発信に努め、道産水産物の一層の安全、安心の確保に取り組んでまいる考えであります。

 

u       被災者の支援にとりくむ

 次に、被災者に対する支援についてでありますが、道では、このたびの大震災で被災された方を積極的に受け入れることとし、道としての具体的な支援策について、私みずから、各県を訪問するとともに、さまざまな機会を通じて、各被災地に御説明を申し上げているところであります。

 現在、道内に避難されている方々は1200名を超えているところであり、道といたしましては、教育庁も含め、庁内各部が一体となった、道外被災県緊急支援対策本部を立ち上げ、総合相談窓口を設置するとともに、被災避難者サポート登録制度である、ふるさとネットの創設、さらには、就学援助などを行っている市町村との連携強化を図り、きめ細やかな支援を行っているところであります。

 また、今回の震災に伴い、被災された農業者などからの道内での就農相談などに対しても、北海道農業開発公社のワンストップ窓口機能を活用して、市町村とも連携し、就農の支援をしてまいる考えであります。

 今後とも、避難されている方々から直接お話をお伺いするなど、状況の把握に努めるとともに、集団で避難される場合の交通費の負担や生活に必要な物資の提供など、さきの第1回臨時会で措置した道外被災地支援の予算を活用して、道として、しっかりと対応してまいる考えであります。

 

u       泊原発・緊急安全対策はさらなる情報提供

 次に、原子力発電などに関し、まず、泊発電所の安全対策についてでありますが、北電が実施をした緊急安全対策について、道と地元4町村では、5月12日に、安全協定に基づく立入調査を行い、その結果を16日に公表するとともに、17日には、泊発電所の緊急安全対策に係る評価結果などについて、国から聴取したところであり、現在、さらなる情報の提供を求めているところであります。

 今後、原子力を専門とする学識者の皆様方の御助言等もいただきながら、地元4町村とも協議を行い、泊発電所の再稼働に関する道としての考え方を整理してまいる考えであります。

 私といたしましては、原子力発電所は、何よりも安全性の確保が不可欠であると考えているところであり、今後とも、国や北電に対し、福島第一原発の事故の速やかな原因究明と、泊発電所の安全確保を強く求めてまいります。

u       地域特性に即した新エネの導入を積極的にとろくみたい

 最後に、自然エネルギーへのシフトについてでありますが、国においては、今回の福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、これまでの原子力と化石燃料に加え、自然エネルギーを基幹エネルギーとしていくことなど、エネルギー基本計画の見直しを進めていくと承知いたしております。

 こうした中、私といたしましては、道民の皆様方の御意見を十分に踏まえながら、現在検討中の平成23年度を初年度とする省エネ・新エネ促進行動計画に反映するとともに、本道の地域特性や産業構造に即した新エネルギーの導入に向けた施策に、積極的かつ計画的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。